自動車盗難の現状と対策
ピーク時に比べると昨今の自動車盗難件数は減少傾向にあります。とはいえ、特定の地域では依然見過ごすことのできないほどの盗難が発生していることも事実です。こうした現状には以下のような背景があります。
暴力団対策法 | 1992年の「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴力団対策法)」の施行により、規制が厳しくなり、暴力団の資金源が減少。代わりの資金源として盗難車が売買されているのです。 |
---|---|
不正輸出 | 中古車の輸出規制緩和で、車両のチェックが書面審査に簡略化されたことで、輸出が格段にしやすくなっています。これが原因で盗難車の不正輸出が増加。海外で日本からの盗難車が多数見つかっています。 |
危機意識の低さ | 治安のいい日本では、国民全体の防犯意識がさほど育っていない現状があります。そのため、悪質な窃盗団などに盗難のスキを与えてしまっています。 |
車が盗まれることで負うリスクは、車そのものという財産を失うことだけではありません。以下のようなリスクもあることを肝に銘じておきましょう。
1愛車を失い、多額のローンだけが残る
2「足」がなくなり、日常生活や仕事に支障をきたす
3車だけでなく、車内に置いた財産(クレジットカード、貴金属、免許証、携帯電話など)や車載装備(カーナビ、カーオーディオ)を失う可能性がある
4盗難された車が返ってきたとしても、激しい損傷を負う可能性がある
5キーをしたままだったり、違法駐車だったりして盗難され、その車が事故を起こした場合、裁判で管理責任を問われる可能性がある
こうしたリスクをあらかじめ回避するためにも防犯対策は必須と言えるのです。
愛車を盗難されないため、基本的な対策を行う必要があります。まずは「危険はいつもすぐそばにある」という認識を持って、以下の対策を行ってみましょう。
自動車盗難事件の実に30%近くが、キーを付けたまま発生しています。コンビニの買い物など、「少しくらいなら……」と油断してロックせずに放置しがちですが、この心のスキが命取りになります。わずかな間だとしても、車を空けるときは必ず窓を閉め、ドアをロックするという習慣を付けるようにしましょう。
自動車盗難が起きる場所としてもっとも多いのが、約50%を占める「月極駐車場」。とくに薄暗い月極駐車場に停めた車は犯人にとって格好の餌食です。駐車するところは、できるだけ照明の当たる明るい場所や、防犯カメラの死角にならない場所を選ぶのがいいでしょう。
車の犯罪といえば、自動車盗難だけでなく車上荒らしも多発しています。車は金庫ではありませんから、私たちが想像しているほど、堅牢なセキュリティーはありません。車内の見えるところにクレジットカードや貴金属を置いたままにしていれば、狙われるのも当然と言えます。また、スペアキーなどを見えるところに置くのも危険。絶対にやめましょう。
キーをロックしているにもかかわらず、車両盗難に遭ってしまうケースが近年は急増しています。メーカー純正のイモビライザー機能や盗難防止機能はプロの窃盗団には意味が無く全く通用しません。窃盗団には全ての車種が同じように配線されている盗難防止機能を解除する技術も知識もあります。純正の防犯装置で安心するのではなく、さらなる防犯対策が求められているのが現状です。
そこで取り付けの説明書や配線図などが存在しないメーカー純正ではないバイパーなどのセキュリティーが必要になってきます。
イモビライザーとは、キーから発信される電子的なIDを車両本体のコンピュータと照合することでエンジンを始動させることができる装置のこと。物理的にコピーしたキーではエンジンがかからないため盗難防止に有効ですが、近年ではほとんどの車にイモビライザーが装備されている為、イモビライザーを回避する盗難方法が主流です。
バイパーをONした場合は7378京以上あるリモコンIDが一致した場合のみセキュリティーをOFFにすることができます。また、セキュリティーON時は純正イモビライザーのIDが一致した場合でもエンジン始動ができない仕様になっているので安心です。